お知らせ・更新情報
    (事務所外観、クリックで拡大) 
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     毎年7月19日・20日は大日如来の夏祭りのため、弊事務所付近(柳町通り)で交通規制が実施されます。お越しの際はご注意ください。



    (お知らせ)
     2011年6月、村上法律事務所は青葉区片平から一番町に移転しました。古いカーナビの情報を頼りにして、前の片平の事務所へ向かってしまった方がこれまで数名ほどおられます。くれぐれもご注意を。
     電話・FAX番号に変更はありません。


     案外本気で信じ込まれてしまう小咄
     「村上さんの事務所、どうして今の場所に移転したの?」 「そりゃ、目の前に酒のやまやがあるからですよ」

    ID:5lh2fd
    嫌だなァと思いながらエゴサーチ
     先日、「虚偽の事実をクチコミサイトに書かれて困っている。削除依頼したが対応がいつになるかも分からない」との相談を受けました。

     さて削除だけでいいのか、あるいは発信者情報開示か、発信者の特定となると正直面倒臭いなあ、などと思いながら話をうかがっていくと、なんと書き込んだ者が実名で、身元が分かっているとのこと。ならば話が早い。
     さっそく内容証明郵便のお手紙を作成し、「直ちに消してください。さもないと・・・」との内容で送りました。もちろん、問題のサイトを印刷して(urlと日付も入れないといけない)、紙ベースで証拠保存もしております。
     問題の書き込みは2日後には無事消えていました。

     ただ、再犯の危険もあり得るところですので、嫌だなァと思いながら念のため依頼者のお名前と代理人となった自分の名前を数日おきに検索しています。今のところ大丈夫のようですが、もし私の悪口が書かれていることを見つけた方は、ぜひご一報ください。


     関係ない話ですが「嫌だなァと思いながら」との表現は、巨人入りした岩隈投手がかつて渡米前にいろいろあったときのコメントで、なぜか忘れられません。楽天ファンもたぶん忘れていないから、再獲得ならずをあまり残念がっていないのかも。

    相続セミナーのレジュメ、公開します
     先日、相続に関するセミナーでお話しをする機会をいただき、そのための下準備としてレジュメを作りました。

     対象としては一般人の中高年で遺言や相続対策に興味のある方を想定しており、法専門家や学生向けではありません(条文などは引用せず)。ですので、例えば遺言執行者の権限の点や、遺留分減殺請求権の債権化などはカットしました。全10頁ですが、これでも40分では半分程度しか話せませんでしたね。

     特に次回セミナーをする予定もなく、寝かしておいても意味がないので公開します。参考にしてもらえれば幸いです。

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    (まだ続きます)
    (備忘)債権法改正・相続法改正の施行日まとめ
    (11月21日追記。相続法改正の施行日について政令が出ました)

    民法(債権関係)改正法の施行日・・・2020年(新元号2年)4月1日 (一部例外あり)

    (例外)
    ① 定型約款について
     定型約款に関しては施行日前に締結された契約にも改正後の民法が適用される。(しかし、施行日前(2020年3月31日まで)に反対の意思表示をすれば、改正後の民法は適用されない。)
    ② 公証人による保証意思の確認手続
     「保証意思宣明公正証書」(465の6)は保証契約締結日の前1か月以内に作成しないといけないので、2020年3月1日から施行する(つまり、改正法施行日に先行して公正証書を作れるようにする)。

    【参考】法務省サイト「民法の一部を改正する法律(債権法改正)について」
    http://www.moj.go.jp/MINJI/minji06_001070000.html


    相続法改正の施行日・・・4段階スタート。早いものは来年1月から

    (1) 自筆証書遺言の方式緩和 (手書きではない目録OK) は2019年1月13日から
    (2) 長短2つの配偶者居住権 については2020年4月1日から 
     あわせて刑法など関連規定の改正も行われる。司法試験受験生必須の刑法115条(自己所有であっても他人の物を焼損した扱い)の語呂合わせ「物差賃保」などは、今後は「配偶者に物差賃保」と変容していくものと考えられる(私見)。
    (3) 遺言書保管法 については2020年7月10日から 
    (4) その余の基本規程(遺留分減殺の債権化、特別寄与料など)は2019年7月1日から 

    【参考】法務省サイト「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)」
    http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00222.html
    【参考】法務省サイト「法務局における遺言書の保管等に関する法律について」
    http://www.moj.go.jp/MINJI/minji03_00051.html

    【ご注意】 一応確認していますが、どこかにコピペしようとするときは各自でウラを取ってください。

    【告知】11月25日(日)泉区南光台でセミナーがあります
     お知らせです。

     きたる25日、泉区南光台に新たにオープンする福祉施設において、無料セミナー3部構成の第1部の講師を務めさせていただきます。
     テーマは「来年1月から施行! 相続法改正のポイント」となっておりますが、もちろん一般の方向けですので理論的な眠たくなる話はせずに、身近な影響があると思われる点を中心にやさしく解説したいと思います。
     持ち時間が40分ですので、自筆証書遺言にまつわる改正点や、配偶者居住権・特別寄与料という新たな制度くらいまでしかお伝えできないかもしれません。

     日時:11月25日(日) 13:30~15:30
     場所:仙台市泉区南光台東1丁目1-20 福祉施設「ふきのか」


    20181125ふきのかセミナー

     現在予定している内容です。

     0 まず、いつからどのように制度が変わるのか?
     1 遺された奥様を保護! 2つの「配偶者居住権」などの制度を新設
     2 もう公正証書遺言は要らない? 自筆証書遺言が便利に!
     3 故人の口座凍結で困ったら? 2つの仮払い制度
     4 息子の嫁や孫による介護…相続人「以外」の親族にも特別寄与料

    (以下たぶん時間の都合で無理)
     5 (上級) 遺留分減殺請求権が物権的効果から債権的効果に変更
     6 (上級) 相続の効力等について問題点を解消


     会場の都合上、予約制になっております。連絡先はチラシの電話番号へどうぞ。
     

    理論的な面からも民事信託(家族信託)は危ういと思う
     東北大学法学研究科の公開講座「民法改正の諸問題」の最終回、水野紀子教授ご担当の「日本相続法の特徴と相続法改正」が14日に開催されます。
     その予習の参考論文を読んでいたところ、その中に民事信託についての鋭い指摘があり、膝を打ちました。

    「そして被相続人がさらに自由に設計できることを求めて、相続法との関係整理が不十分なまま、2006(平成18)年に新信託法が立法された。」 (水野紀子「相続法の分析と構築-企画の趣旨」 法律時報2017年10月号89巻11号通巻1117号7-11頁(2017年9月))

     やっぱり、そうですよねー。

     一度でも民事信託(家族信託)の契約書を起案した方ならお分かりになると思いますが、委託者の死後に信託財産をどうするのかを制度設計する必要があります。その際、特定の者が財産の大半を取得する場合、遺留分との関係はどうなるのか、などの問題に直面します。

     この点、従来の相続法の遺留分制度と新しい民事信託とが衝突する場面でどっちが勝つか、もし遺留分減殺請求権を行使できるなら相手は誰で対象となる財産は何かなど諸々の点は、法律上明らかではありません。

     信託でも遺留分を侵害することはできないことがたぶん立法者意思で通説のはずですが、新信託法施行後も一部では遺留分をクリアできるとの見解が主張されていることもあり、新しい法律なので裁判例もまだ見当たらず、「たぶん遺留分は侵害できないと思うけど、裁判になったらどうなるか分からんよ」という状況が続いてきました。
     後日遺留分請求を受け目的が台無しになるかもしれない信託の設計など、私としては正直手を出すのも怖ろしいのですが、民事信託(家族信託)を売りに相続セミナーを開催していらっしゃる方々はどれだけの知見と覚悟がおありなんだろうと、外野から疑問に思っているところです。
     「民事信託ならこんなことができます。おまかせください」、という表層的な説明のみならず、信託の設計にあたっての現実問題を理解し、十分なリスク説明も含めて民事信託を勧めているのかどうか。私自身もまだまだ勉強不足であることは自覚しており、大変おこがましい意見かもしれませんが…

     あるいは、信託契約の設計にあたって、「後日、訴訟の結果により本信託契約の目的が実現できなくなっても、契約書作成者は一切の責任を負わない」という一筆を取っていたりするんでしょうか。後は野となれ山となれ?

    民事信託は救世主にはならない
     11月4日(日)、宮城県建設会館で行われた民事信託の研修会に参加してきました。

     (一社)民事信託推進センターと(一社)民事信託士協会の共催によるもので、「民事信託士」という資格の登録更新のための指定研修を兼ねていたそうです。
     私自身は同資格を有しているわけではないのですが(もう有象無象の相続関係の民間資格はコリゴリです。いくつ取ろうが何の役にも立たない)、相続関係のご相談を受ける際に「『民事信託』・『家族信託』って制度があるそうじゃないか、使えないの?」と聞かれることもあり、正確にお答えするために勉強を続けているところです。
     今年になってからは信託監督人を1件引き受けたこともあり、より集中的に勉強するようになりました。

     ただ、民事信託は言われているほど素晴らしい制度なのか? 素晴らしいとしても、ハッキリ言って広まらないのでは? と私としては懐疑的な目を向けてしまいます。
     
     一般的には、遺言や任意代理・任意後見など従来の制度では実現できなかった後継ぎ相続、財産管理・処分、さらには節税策などのメリットがあると説明されています。弁護士の業界も司法書士業界に遅れを取りながらも、日弁連信託センターを立ち上げ、普及用のリーフレットを作成したようです(今日現在、日弁連の会員専用ページ内で確認。なぜ一般向けページに置かないのか)。

     しかし、私としては以下の点をクリアできない限り、民事信託は普及することなく、また法律の専門家サイドのビジネス・業務として確立し難いのではないかと思っています。
     
    問題点(1)入り口の費用が高くなること。
     民事信託は、税金の問題とは切っても切れない関係があり、税理士の助言が必要になる場面が表れてきます。そして不動産があれば信託登記の点も問題となり、複雑な信託契約の内容をチェックするには弁護士が関わることになると思います。
     つまり、一つの民事信託を構成するためには、複数の士業の分野を横断的に検討する必要があるため、どの士業であろうと、ひとりだけで作れるものではないと考えます。
     複数の専門家による検討を経るのであれば、単なる契約書作成とは異なり、相応の費用をご負担いただくことになるだろうと思われます。

     ちなみに昨日の研修会の最後に、『新しい家族信託』などの著者である遠藤英嗣弁護士が紹介していたのですが、司法書士が作成した民事信託が公序良俗違反で無効になった判例があるとのことです(どうも公刊物未搭載らしい。「闇に葬られている」との表現が印象的でした)。
     私自身も、民事信託に関する本は4,5冊程度読んでいますが、「この条項はマズいだろ」と思われるサンプル契約書も確かに見かけたところです。民事信託は「コピペ」だけで何とかなるものではない、非常に高度な業務だと思います。
     ですので、はやりに乗った感じで「民事信託をやります」とサイトで堂々うたっている方を見ると、「お、おう」とつぶやいてしまいます。ならばこちらは、欠陥住宅ならぬ欠陥信託を争うことを業務としようかな・・・

    問題点(2)委託者が高齢の場合などで、意思能力や錯誤の問題が生じうること。
     つまり、「こんな複雑な遺言、ボケ始めていた爺さんが理解できたハズがない。書かされた遺言だ!」という「遺言能力の有無」の争いと同様の問題などが生じるのではないか。
     民事信託は枠組みがなかなか難しいものですから、「財産を託した人は本当に理解して契約したんですか? 契約書だけ用意してハンコをつかせたんじゃないですか?」という争いがかなりの数で生じるのではないかが懸念されます。
     対策として、民事信託に関する理解度をどのように証拠化しておくか。長谷川式スケールや医師の診断書だけで、複雑な契約を理解していた証拠になるのか。どうなんでしょうね。
    (余談ですが、意思能力は改正民法では3条の2で明文化されます)

    問題点(3)節税策は、国が法改正などで必ず抜け道を防ぐ対抗策を取ってくること。
     ある民事信託の方法が節税になるとして提案され、実行に移した。ところが数年後に法改正がされ、予定どおりに節税できなくなったら。思わぬ重税で信託財産で賄えなくなったら。「こんなことなら、高い費用を払って民事信託なんかせずに、遺言や生前贈与で対処していれば十分だった」という例が出てこないか。
     ある知り合いの相続コンサルタントは、事後的に節税の抜け道が塞がれることを「国による後出しジャンケン」に例えており、うまいことを言うものだと感心しました。
     節税を前面に打ち出して民事信託を勧めると、このようなリスクもあるかもしれません。

     この日の研修会は実に充実した内容だったのですが、勉強すればするほど上記の疑問点が膨らみ、民事信託をビジネスとして確立するのは難しいという心証が固まってきたところです。

     民事信託の普及には司法書士業界の取り組みが進んでおり、この研修では司法書士が中心となって信託会社を設立しようという計画まで紹介されていました。
     これのどこにニーズがあるかというと、民事信託の受託者を「業として」引き受けるには信託会社としての登録が必要であり、弁護士や司法書士は「受託者」を何件も引き受けることはまずできません。1件でも「反復継続」と見られたらアウトです(民事信託の普及を阻害する問題点(4))。
     そこで、家族・知人などに受託者候補がいない場合は民事信託を見送らざるを得ないケースもあるのですが、そこを司法書士が作る信託会社がカバーして受託者になろうというものです。
     実際の受託者としての業務は、この信託会社に雇用された民事信託士が行うようです。そうなると今後の民事信託関係の仕事は、信託会社に囲い込まれるようになるのかな、と。

     こうなるとたとえ民事信託が思惑通り普及しても、部外者にはお声がけの機会はなさそうです。
     ただ、そもそも普及しないと思うんですけどね。人はよく分からないものに手を出さないものですから。

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