国道4号線・箱堤交差点に弁護士法違反の疑いあり
     今日は仙台中央卸売市場の中にある食堂に海鮮丼を食べに行きました。
     これがまたネタの活きがよく、さらに安くてリピーターになること間違いなしの店だったのですが、グルメレポートよりも問題になるものを見つけたのでこちらの方を記事にしようと思います。

     国道4号線の箱堤交差点に面した、でかい看板。

    (画像クリックで拡大。画像はグーグルマップより)
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     某グループと称する看板に「弁護士」との記載があったので、「そんな名前の弁護士事務所は聞いたことがない」と気になり、帰宅後さっそく検索してみました。
     そうしたところ、そのグループの名称を冠する法律事務所は存在せず、とある行政書士事務所がヒットしました。
     どうやらその行政書士は、弁護士を初め他の士業と提携しており、他資格のサービスも提供できますと謳って広告をしているようです。驚いたことに、サイト内には「業務案内」として「弁護士業務」が紹介されています。

    (画像クリックで拡大)
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     これらの看板ないしサイトは、弁護士でない者が「弁護士」の標示又は記載をしており、弁護士法74条1項に違反する疑いが極めて強いと思われます。

    (非弁護士の虚偽標示等の禁止)
    第74条第1項  弁護士又は弁護士法人でない者は、弁護士又は法律事務所の標示又は記載をしてはならない。


     たぶん税理士法、司法書士法、社会保険労務士法にも違反するのではないかと思うのですが(サイトには行政書士1人の名前しか出てこないのに、他の士業の業務も頼めそうに書いてある)、他の士業団体と足並みを揃えて一斉に告発するのはどうでしょうか。
    即決和解はあまり利用されてない
     先月、ある賃貸物件の賃料支払が滞納しているという案件で、今後支払いが2か月分滞ったら明渡しをするという内容の即決和解(訴え提起前の和解)を仙台簡裁に申し立てました。
     驚いたことに、事件番号が「平成25年(イ)第1●号」で、年間10数件しか利用されていないようです。

     費用も明渡訴訟より安く済み、訴訟よりも早く(申立てから1か月弱)債務名義が取れる点で使い勝手は悪くないと思うのですが、なぜ使われていないのでしょう?

     賃借人に一度裁判所まで来てもらうことが難しいからか、それとも弁護士が儲からないからか・・・。
    相続税対策、簡単に言うけど
     ある税理士が書いた相続対策の本を読んでいたら、こんなことが書いてありました、

     いわく、相続税対策には、銀行からお金を借りてアパートを建てることが有効です。土地が路線価の80%、建物が固定資産評価額の70%となり、不動産の評価額が下がります。
     一つの土地をフェンスで区切り、一方に自宅を建て妻にて、もう一方にはアパートを建てて子供に相続させましょう。細長い土地は評価額が下がります。
     あなたも妻も亡くなって子供が相続したときには、アパートも古くなっているので取り壊して、一つの土地に戻します・・・。


     簡単に言うなあ。

     賃貸アパートを取り壊すと簡単に言うけど、アパートの住人の立退き問題はどうするのか。一人でも頑として引っ越さないという人がいたら最終的には訴訟しかないけど、大家側に明渡しを求める正当事由があるといえるか。
     立退料の額にもよりますが、判決で明渡しが認められるかは微妙にも思えます。特に、借主に自己使用の必要性が高い場合には、いつまでも居座られる危険が高まります。

     つまり、せっかくの相続税対策なのに、明渡しに長い時間や裁判費用・立退料がかかる、しかも確実に明渡しを求められないこともあるのでは、必ずしも得策にはならない訳です。
     震災以降特に増えましたが、明渡しの交渉や訴訟を何件もやっている身としては、どうしても引っかかる記載でした。


     ちなみに相続対策の本を著者で分類すると、(1)弁護士が書いたもの、(2)税理士・FPが書いたもの、(3)その他(信託銀行、司法書士、コンサルタントやカウンセラーなどの民間資格者)の3つに大別できます。

     (1)は、実例に基づく相続に起こりがちなトラブルと、その予防法・対処法の記載が強みといえます。
     (2)については、お金の絡む部分、相続税対策については勉強になるのですが、実際にトラブルが生じてからの記載や法律については記載内容が甘いところがあるのは否めません。やはりそれは専門分野の違いというべきでしょう。
     (3)も何冊か読んでいますが、信託銀行の遺言信託や司法書士の相続登記の本を除けば、あまり参考になったケースは・・・。入門として読む分にはいいかもしれませんが、片手落ちな記載も目立つところです。

     相続問題を抱えている方は、用途に合わせて選ぶとよいでしょう。弁護士会の法律相談センターや、村上事務所での法律相談もおすすめ(広告)。
    結局、放置車両にはどう対処すればいいのか
     マンションの敷地内や駐車場にある持ち主不明の放置車両、どうしたらいいでしょうかという相談を受けることがあります。公道であれば警察に通報して終わりですが、私有地だと警察もなかなか手が出せません。

     弁護士として頭を悩ませるのは、まず(1)自力救済として許される範囲はどこまでかという問題と、(2)所有者をどうやって特定するかという問題です。

    (1)自力救済

     勝手に処分(損害賠償を請求されるおそれ)、ボコボコに蹴飛ばす(器物損壊罪に問われるおそれ、ただし親告罪)というのは基本的にアウト。逆に言えば、後日持ち主が現れる可能性がないくらいの期間だけ放置されていれば・・・、ということ。
     警告の張り紙は、接着剤が落ちにくいような粘着力の強いもので貼ってしまうと器物損壊の問題あり。タイヤをロックしてしまう、空気を抜いてしまうのは、逆に車を使用できない損害について賠償などのトラブルに発展する恐れがあるので、お勧めしない。
     汚い話ですが、くそみそな話(※)でお茶を濁したりすることもありました。

    (※ 洗い落とせるので、車に味噌を塗った行為について警察が器物損壊罪での立件を見送ったというニュースがあった。なお、食器に放尿した行為について、経済的な効用を害するとして器物損壊罪が成立するとした判例がある。つまり、くそみそには違いがあるということで、法律相談で客を笑わすネタのひとつ)

     弁護士は違法行為をそそのかしただけで懲戒事由になりますし、最近は法律相談を無断録音する人もいるので、一見さんの相談では滅多なことは言えません。せいぜい、何回でも警告文を挟んでおくこと、違法駐車の時間を記録すること、状態を写真に撮影しておくこと等、合法的な範囲での無難な回答くらいです。

    (2)所有者の特定

     違法駐車の主に損害賠償を請求するには、車の持ち主が分からないといけません。

     平成19年に規則が変わり、自動車登録番号(ナンバープレートの番号)と車台番号(ボンネットの中)の両方が分からないと、運輸局では登録事項を教えないことになりました。放置車両のボンネットを勝手に開けるわけにも行かないので、事実上、手も足も出せないまま、うやむやに終わってしまうこともありました。

     ただ最近知ったのですが、東北運輸局宮城支局のサイトによれば、私有地における車両放置の場合について、「私有地放置車両関係位置図」を添付すれば、車体番号が分からなくても登録番号のみで登録事項証明書を出せる場合があるとのことです。

     なお、軽自動車は運輸局ではなく軽自動車検査協会の管轄で、上記の方法によることはできません。ややこしい。
    【スクープ】80年代、法曹三者が廃止される予定だった
     最近読んだ本の中から、法曹界を揺るがしかねない大スクープを発見したので紹介します。
     1980年代には、法曹三者が廃止されるはずだったと言われたら、果たして皆さんは驚くでしょうか。


    昭和ちびっこ未来画報昭和ちびっこ未来画報
    (2012/02/01)
    初見健一

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     この本は、1950~70年代にかけて子供向けメディアに掲載された「未来予想図」を集めた本です。
     皆さんもどこかで、空飛ぶ自動車や宇宙旅行の絵を目にしたことがあると思います。昭和の子供向け雑誌で紹介されていた、「来たる21世紀はこんなに科学が発展して、夢のような世界になっているんだよ」というイラスト。

     これらはまったくの空想とも言えず、当時の最先端の科学技術を取材して作成されています。ですので、ここで描かれている物や技術は、今では当たり前になっている物もあれば、未だ実現されていない物、諸事情で開発が断念された物もあって、なかなか興味深いものです。

     では、未来の裁判所はどうなると予想されていたのでしょうか?

     1969年の作、絵・桑名起代至、『〝死刑〟宣告!』

    未来画報1

     一九八×年――。
     ひとりの犯罪者が、最高裁判所の中央法廷に送られた。
     だが、法廷には、被告と傍聴人以外は、裁判官も検事も弁護士もいない。
     裁判官席には、ただ一台の銀色に光る機械が置いてあった。
     やがて赤いランプがつくと、たった一つのスピーカーから、重々しい金属製の声がきこえてきた。
     『判決。被告は、死刑!』
     その一言で、すべては終わった。
     機械の赤ランプが消えた。


     なんということでしょう。1980年代の最高裁判所には法曹三者の姿が無く、でかいコンピュータが判決を下す未来になっていたはずだったのです。ひえー。

     裁判に威厳を持たせるためでしょうか、仰々しいキャビネットの上にコンピュータを載せています。重々しい金属製の声(?)や、主文だけで理由を一切述べないところも、反論は許さないという感じで怖ろしい。赤ランプもコンピュータの不気味さを強調しています。
     わずか10数年後には、刑事裁判の判決までコンピュータが下す未来がやってくるだろうというコンピュータ社会到来の予想、そして重要なことを機械に委ねてしまうことへの不安感を見事に表したイラストだと思います。

     では、裁判に至る手前の警察活動はどのように予想されていたのでしょうか。

     同じく1969年の作、絵・南村喬之、『犯罪情報センター』

    未来画報2

     こちらは当たらずとも遠からず。指紋や弾丸の条痕が記録として警察のコンピュータに保管される点、同じような犯罪で過去にどんな罰を受けているかという量刑データベースが作られている点は実現しています。コンピュータが犯行の理由や犯人の居所をプロファイリングする、というのは面白い発想です。
     モンタージュもコンピュータが組み合わせる。なるほど。
     立体地図を作り犯人の逃走経路を計算させる・・・うーん、これは立体地図はいらないよな。

     ここまでコンピュータを描くなら、できれば警察の取り調べについてもコンピュータを関与させてほしかったですね。人間は正義感や思い込みで暴走しますけど、コンピュータなら不当な取り調べはしないでしょうし。

     「犯罪が発生すると、巨大な電子計算機が活動して犯人をつかまえ、判決まで下すのだ。」となっているので、こちらは警察・裁判所が一元化した未来のようです。それはそれで怖ろしい社会ですが。


     この本ではこの他、本州四国連絡橋の完成予定図に、しれっと円盤型自動車が走っていたり、コンピュータ化された教室で子供がロボットから体罰を受けていたりと(体罰自体は無くならないと思われていたようだ)、笑い話のような絵が満載です。
     非常に面白い本でした。
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