聴いていて肝を冷やす研修でした~「日弁連ライブ実務研修 『相続税法改正と重要論点の解説』」
     先ほどまで行われていた、日弁連ライブ実務研修『相続税法改正と重要論点の解説』を受講してきました(仙台会場へはビデオで生中継)。

     前半は今年1月以降の相続税制・贈与税制の改正点の解説で、それ自体は他の相続税セミナーや書籍で目にするものでした。ただし、ポイントを整理したレジュメの出来が秀逸で、これは手元に残そうと思います。
     また、平成23年税制改正の国税通則法の改正(税務調査手続)など、弁護士として知っておく改正点をあわせて説明されていたのはありがたいところ。

     そして研修の後半、重要論点の解説が聴いていて肝を冷やす内容でした。

     弁護士は税理士業務をできると言っても、税務に関しては及び腰の方が多数派だと思います。だからと言って不勉強なままで、当然要求されるレベルの助言ができていないと、賠償責任を負わされる可能性があることが強調されていました。
     
     たとえば、
     民法と税法での相違点。
     遺産分割が長期化した場合に、相続税に関連して相続人がなすべきこと。
     遺留分の減殺によって相続税額が減少した者は、何ヶ月以内に何をすべきか。逆に取得する側は。
     保証債務は課税価格から控除されるか。原則と例外の要件。
     遺言書と異なる遺産分割、遺産分割のやり直しでの注意点。

     今日の研修を踏まえ、相続税の注意点に関しては何らかの形でまとめておこうと思いました。見落としたときが怖すぎます。
     とりあえず、参考文献に挙げられていた本をAmazonで注文しました。今度の連休はこれで勉強しよう。

    グリーフケア・アドバイザー2級認定講座を修了(後編)
     引き続き、グリーフケア・アドバイザー2級認定講座の話です。

     講座の会場は、司法試験の予備校としても有名な伊藤塾の渋谷校。2級の講座は10時半から4時まで、1日で講義を行います。
     参加者の数は150~160名くらいで、年齢層はばらついており、男女比は3対7くらいでしょうか。参加者の持参していた本などからして、どうやら看護に従事している方が多いようでした。北は北海道、南は大分・熊本からこの日のために東京まで受講しに来たというのですから、参加者の熱意のほどを感じます。
     なおこの講座はインターネットで申し込みを受け付けているのですが、申し込み開始時刻の30分後には既に定員が埋まり、自分はキャンセル待ちで参加することができたことを思い出しました。

     全4講で、そのうち2講は日本グリーフケア協会会長・宮林幸江先生(自治医科大学看護学部教授)による「グリーフの知識と実践」、1講は同協会理事の関本昭治医師によるグリーフの歴史、残る1講が萱津公子先生(長野大学社会福祉学部教授)による「悲嘆とプロセスの理解」。
     この講師陣のラインナップからも分かるとおり、いずれも学術的な裏付けのあるお話しばかりです。過去に受講してきた某民間資格(なんちゃらカウンセラー)とかの講師は、思えば適当なことをペラペラと喋っていたなと改めて思いました。

     今回の講義では、いずれの先生方も配偶者など大事な方をを亡くされたご自身の経験を踏まえ、専門性が高いところを初学者向けにかいつまんでお話しされていました。

     特に重要な点として宮林先生が強調されていたのが、「日本人の悲嘆の4つの反応」。
     ここで特に「日本人」に限定する理由は、例えば隣国の韓国の葬儀では我々の感覚からすればオーバーなくらい号泣することで悲嘆を表現したりなど、国民性によって悲嘆の現れ方が異なるからなんだそうです。

     では、日本人にはどのような悲嘆が現れるのか。

     第1に「思慕と空虚」。
     ふとしたときに故人を思い出したり、無意識に思い出が蘇り、虚しさを感じる。そのような心の動きです。いないはずの故人の存在感を感じる「ちらつき反応」、故人の生い立ちや学校や職場での言動を尋ねて回る「探索行動」もこれに分類されます。

     この話を聞いて、私は『さよならもいわずに』 (上野顕太郎、ビームコミックス)という漫画のエピソードを思い出しました。妻が急死した作者の実体験を漫画にした作品なのですが、作者は知り合う前の妻が写っている写真を求め、出身校を訪問する場面が出てきます。まさにこの「探索行動」です。
     それと、山崎まさよしの曲『One more time, One more chance』の中の「いつでも捜しているよ どっかに君の姿を」というフレーズもこれでしょうね。「いるはずもない」ことは頭では理解しながら、心が無意識に反応してしまう状態。

     悲嘆の反応の2つめ、「疎外感」。周囲は幸せそうなのに、自分だけが取り残されている感覚。

     3つめに「うつ的な不調」。食欲の低下、不眠など健康を害する反応が生じるため、周囲の方は気にかける必要があります。
     
     最後の4つめは方向性が逆で、「適応・対処への努力」。死別から立ち直ろうとする心の動きです。それ自体はいいのですが、得てして焦りの感情から、「やり過ぎ」になってしまうこと。
     このとき周囲が気をつけないといけないことは、本人は精一杯頑張って、辛い気持ちを我慢しているところに、良かれと思い「頑張って」と言ってしまうこと。かえって反発を招いてしまうそうです。「頑張っていますね」と共感を示すことが望ましいそうです。

     このような心身の反応が起こることを知っておくだけでも有用なことだと思います。
     また、研究によると、悲嘆の反応は4年半くらいは続くようです。
     「4年半」。東日本大震災から、この9月11日で4年半が過ぎたことが脳裏をよぎりました。この講座を主催する協会も、震災後に名取市の仮設住宅でグリーフケアの支援活動をされてきたそうです。

     そして、ケアの方法としては「傾聴と共感」。
     か…環境を整え、き…聴く、く…詳しい方法を伝えるなどグリーフケア実践の「かきくけこ」や、ポイントなどが解説されました。


     ところで、講師の宮林先生と名刺交換をさせていただく機会があったのですが、その際、「以前に仙台の弁護士で鈴木先生という方が受講されていました」とうかがいました。
     鈴木姓はけっこういますが、あたりをつけて「鈴木覚先生ですか?」と尋ねるところビンゴ。「『必要なんです』と仰られていました」とのことです。私がようやく一端を知るようになったグリーフケア、既に理解していらっしゃる先生がいたのはちょっと嬉しいですね。

     ゆっくりお話しできる時間がなかったのでほんのご挨拶程度で失礼させていただきましたが、実に有意義な講座だったと思います。大変勉強になりました。
     講師の皆様に御礼を申し上げます。
    グリーフケア・アドバイザー2級認定講座を修了(前編)
     去る9月12日に東京まで出かけ、第15回グリーフケア・アドバイザー2級認定講座を受講してきました。

     この「グリーフケア」という言葉、あまり耳慣れないかと思います。
     グリーフ(悲嘆)とは、愛着のある重要な対象を喪失したときに、心身に現れる反応のことをいいます。大事な家族を亡くした後、ふとした瞬間に思い出して涙が出たり、周囲からの疎外感を感じたり、うつ状態になったりすることは見聞きされたことがあるかと思います。
     死別を経験した人は誰しもが悲嘆を消化して立ち直りをしていくのですが、それは大変な心身の消耗を要する作業になります。そこに援助の手を差し伸べようというのが、このグリーフケアという考えになります。

     この講座を受講してみようと思ったきっかけは、やはり昨年に祖母を亡くしたことが大きかったかと思います。震災の前日に気仙沼にいた話や、それを期に相続問題に主に取り組んでみようと思った話は前にもこのブログで書きましたが、「相続カウンセラー」「終活カウンセラー」などの民間資格を受講したり、FPの勉強をしたりしながら、何か物足りなさを感じていました。

     この物足りなさの手がかりが、「心」に関するものだろうということは薄々感づいていました。
     一昨年から、一般社団法人あんしん生活工房さんが主催するセミナーで講師の一人を務めさせていただいていたのですが、その時に他の講師である渡邉義之先生(顧客満足度が高いことで評判の行政書士)の話がとても印象的でした。それは、相続問題に取り組むに当たって重要な3要素である「想・公・手(心情への配慮・法律知識・実務の運用や手段)」という話で、知識だけではない、心についての何かが必要なのだろうという漠然とした考えを持っていたところです。

     その後、終活関連で知り合った方が「グリーフケア・アドバイザー」という肩書きを有しているのを見て、それ何ですか?と聞いたところからグリーフケアという概念を知ることとなりました。
     興味を持って調べているうちに、実に単純なことなのですが、目から鱗が落ちる発見がありました。

     ああそうか、相続の事件の相談者は、みんな「遺族」なんだ、と。
     大事な家族を亡くして心が大変なのに、さらに相続の問題で苦しんでいるんだと。
     なぜそのような単純なことにこれまで思い至らなかったのか。

     もちろん、弁護士が他人の人生まで背負ってしまってはパンクするので、依頼者への同情や共感には線引きをしなくてはならないという考えは当然ですし、法律家である以上、どんな生の事案も要点を拾い出し抽象化して、法律要件に照らして考える作業をしなくてはならないのも当たり前のこと。
     しかし、自分はあまりに要点のみにこだわりすぎて、機械的な対応しかしていなかったのではないか。

     そのような思いから、これは勉強する価値があると思い、受講することを決めました。

     講座の様子などは、また後日。
    これで「ブラタモリ」ごっこができる!『仙台地図さんぽ』が面白い
     再版すると聞き予約していた『仙台地図さんぽ』が届きました。

     仙台市の100年前の古地図と、同じ場所の現在の地図を見開き2ページで対比していくものなのですが、どのページを見ても新たな発見があって非常に面白い仕上がりになっています。

     たとえば柳町周辺を見ると、大日如来の場所は昔と変わらず、仙台トラストタワーあたりは「東北學院普通部」、その向かいのSS30は「宮城女學院」。うちの事務所が入っている京成壱番町ビルのあたりは「横田少将邸」となっています。どんな方だったのでしょうか。
     現在の仙台地裁高裁は「控訴院」で、当時の地方裁判所は東二番丁通りにあり、面している通りが「裁判所横丁(旧バケモノヨコ丁)」と書かれています。

     その他、日に当たらない歴史としては、小田原あたりにある青色で区分けされたお店、病院も…

     ともかく興味が尽きません。本家「ブラタモリ」も仙台に来ていましたが、この古地図を片手に「ブラタモリ」ごっこができそうです。

     ところで本書の話から少し離れますが、八木山界隈の亜炭鉱の跡が今どうなっているのか、地下に空間が今でも広がっているのかにも個人的に興味があります。
     これについては当時の記録があまり残されていないと聞きましたが、調査や探検するイベントはないでしょうかね。
    結局、買ったスマホはどうなったか
     少し前にスマホを買ったと書きましたが、データ通信だけで通話機能のない契約にしているため、通話には使っていません。
     そして、今では出先でノートパソコンのテザリングをするとき以外はスマホは持ち歩いていません。思った通り、ガラケーだけで十分でした。

     普段は自宅に置きっ放しのスマホは、英語のアプリで妻が勉強してたり、子ども向けアプリで息子が遊んでいたりしているようです。旅行先に持っていったときは、カメラ機能や観光情報・地図の検索で役に立ちましたね。
     今年は7月中旬に早めの夏休みをいただき北海道に行ってきたのですが、この写真はスマホ(Zenfone5)で撮ったもの。

    P_20150715_133428.jpg
    (美瑛町・ぜるぶの丘にて)

     まあまあ綺麗な写真は撮れるので、これだとデジカメの出番は減りますね。

     なくても困らないけど、あると便利なおもちゃ、そんな感じでしょうか。

    インターネット上の削除依頼
     先日、得意先から頼まれ、ネット上の書き込みの削除依頼をお引き受けすることとなりました。

     初めての仕事だと弁護士費用の決め方が難しいのですが、とりあえず任意の削除依頼について着手金ゼロ、削除の成功報酬を1件3万円と決めました。Whois検索をしてどうこうと一手間がかかる作業なので、なるほど、弁護士以外にも代行業者が流行る訳だとひとり納得。代行業者の料金表もいくつか見ましたが、一括でいくらやサイト1つでいくらなどで決めているところがあり、相場もあってないような印象です。

     その後に読んだ神田知宏弁護士(この分野では第一人者だと思います)の『ネット検索が怖い』(ポプラ新書)には、メールによる削除依頼は「安い料金体系の弁護士で数千円から1万円程度、交渉案件と同じだと考えている弁護士なら、5~10万円程度」(118頁)と書いてありましたので、自分が決めた額もまるっきり的外れではなかったと思います。
     この新書では同様の事件についての解決のプロセス、弁護士費用について説明されています。任意の削除に応じない相手へ削除仮処分の申立てをする場合は、弁護士の着手金が2~50万円、プラス実費と裁判所に預ける担保金。このあたりは通常の保全処分と同様ですが、サイト管理者が海外の法人ならば、文書の翻訳や海外の登記の取り寄せ等でさらに費用がかかるとのこと。結構大変です。

     ネット上の「掃除」や「犯人捜し」をするのに高額な費用がかかる仕組みは、被害者にとってみればやられ損です。制度論として、もっと安価かつ容易な手段での救済方法があるべきだろうと思います。
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