やはり法テラスが許せない
     今日、法テラスからこんなFAXが届きました。

     いわく、「6件の任意整理から5件へ債権者数変更するため、審査基準に基づき費用の減額をなし、その差額である42,000円を受任者より法テラスへ返還して頂くようにお願いいたします。」

     要するに、「払いすぎた42,000円返して」という連絡です。
     なぜこういうことが起きるかというと、法テラスは例外を許さないオニのように厳しい報酬審査基準を設けておりまして、任意整理事件で債権者数が1~5社ならいくら、6~10社ならいくら、というように決めています。
     民事法律扶助の制度を申し込むと、弁護士は予め法テラスから基準に従って着手金をもらいます。そして、制度の利用者(事件の依頼者)は法テラスに対し、法テラスが立替えた弁護士費用を月々返済していくという構図です。
     
     私の受けた任意整理事件では、依頼者は持ち家と住宅ローンとサラ金・カード会社等5社の債務を抱え、震災で職を失った方でした。職を得て安定した収入が回復するまでサラ金等の支払いを待ってもらい、その間は家を残すため住宅ローンだけ支払い続けたいというご希望です。
     個人再生も要件を満たさないので、やむなく任意整理事件として受任し、サラ金等5社に対しては受任通知を出し、事件処理の方針が決まるまで支払いの停止を通知しました。住宅ローン債権者の銀行に対しては、あえて受任通知は出さず、これまで通りの毎月の支払いを続けることとしました。
     しかし、実際には銀行系のカード会社からその銀行に情報が伝わり、銀行のローン担当者とは電話で事情を説明しております。

     その後月日は流れ、めでたく職と安定した収入を得られた依頼者は支払いの能力を回復したため、債権者5社との間で分割払いの和解を成立させました。 

     そして、その経緯を報告書にまとめ法テラスに提出したところ、お前が相手をした債権者は6社でなく5社だから、6社以上の報酬は出せない。5社以下の基準の報酬なので、払いすぎた額を返せ、という上記FAXが届いたのです。

     でも、実際には銀行にも事情を説明して相手にしているし、何もしていない訳ではないのです。
     それに、5社と6社との間で仕事量がそんなに変わらないのに、42,000円も引き下げられるというのは、あまりに不条理ではないでしょうか。これが7社から6社に変わったなら、報酬額は変わらないのです。
     
     納得いきませんが、法テラスの基準は絶対なのです。

     ちなみに、法テラスから金を返せと言われたのは今年だけで既に3回目になります。

     前回は、交渉事件を受任して内容証明郵便を出したら、依頼者都合で突然終了した事案。まあこれは内容証明の作成手数料のみに減縮されるのも致し方ない。交渉をする前で終わったので。

     前々回は、多数の債権者から長年借り入れた依頼者が、ある程度の過払い金も見込めるため、利息制限法に基づく引直し計算をしないと、自己破産するかトータルでプラスになるか不明の事案。受任段階では、任意整理事件として民事法律扶助の申込み。
     計12社のうち、時効にかかるものを除いた数社について引直し計算をした結果、過払い金を上回る債務があることが判明して、トータルでマイナスのため自己破産に切り替えて事件処理。

     これに対しては、任意整理としての仕事をしたとしても、自己破産事件になったのだから、報酬額は自己破産事件の基準までしか出さない。払いすぎた額は返せとの連絡が来ました。
     さすがに、実際に任意整理としての仕事をして、さらに自己破産申立てという追加の仕事をしたというのに、余計にもらえるどころか減らすのは不当だと不服申立書を提出しましたが、結局は認められませんでした。

     本当に、法テラスといのは●●な組織だと思います(一部自粛)。

     それと、法テラスで許せないのはこういう電話がくること。
     被告人国選事件は、数年前に不正請求をやらかした「ごく一部の」諸先輩方のおかげで、何月何日、何時何分から何時何分まで法廷が開かれましたよ~という報告書の作成が必要になっています。
     ここに書いた時刻が、裁判所書記官の記録とズレがあると、「間違ってないでしょうか」との確認の電話がかかってきます。そりゃ、書記官がそう言っているならそうなんでしょうよ!

     例えば激しい証人尋問とかをやって閉廷した後、「よし、終わったのは何時何分だな」と時計を見て正確な記録をつけることまで気が回りますかね? 私は集中すると気が回らなくなるタイプなので、しょっちゅう時刻の記録を忘れ、後から「確かこのくらいだったはずだ」と記入します。正直、法廷の出入り口にタイムカードを置くか、法廷の見やすいところにでかい時計を置いてもらえたら、とさえ思います。

     だいたい、裁判所書記官が正確な時間を記録しているなら、最初からそっちに問い合わせりゃいいのに、なんで弁護士に報告させる必要があるんですか。ここが腹の立つところです。


     以上のような理由で、私は法テラスが関わる民事法律扶助の事件や、刑事の国選事件では、いつも複雑な感情を抱えたまま仕事をしております。もちろん、事件処理には影響が出ないよう気をつけてはいますが。
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