ある法律事務所の広告に思ったこと
     自宅のポストに投函されていた小冊子に、とある法律事務所の広告が掲載されており、ちょっと気になった点があるので紹介したいと思います。

     こちらが裏表紙の広告。広告そのものには、特に問題視すべきところはありません。
    minamihorie1.jpg


     しかし、その掲載誌が問題。一見、女性向けの求人情報誌なのですが。

    minamihorie2.jpg


     紹介されている仕事に、チャットレディがあります。(女性が、有料の男性会員を相手に、インターネット上のテレビ通話システムを用いてコミュニケーションをする仕事。写真の文中にも、「アダルト系とノンアダルト系の二種に大別でき」という説明がある。)
    minamihorie3.jpg


     そして、こんなページも。
    minamihorie4.jpg


     後記の通り、弁護士の業務広告の指針には、品位を欠く広告の例として、風俗営業店や風俗雑誌の広告が挙げられています。たしかにこの情報誌は「風○じゃない」と記載していますが、それでも果たしてどうなのか。私はアウトだと思います。


    (参考)弁護士及び弁護士法人並びに外国特別会員の業務広告に関する運用指針

    第3 規程第3条の規定により規制される広告

    1 弁護士等の品位についての考え方
     弁護士等の品位保持の目的は、国民の弁護士等に対する信頼を維持することにあると考えられることから、品位を損なうおそれのある広告であるか否かは、弁護士等の立場から判断するのではなく、広告の受け手である国民から見た場合に弁護士等に対する信頼を損なうおそれのある広告であるか否かという視点で判断するものとする。

    15 広告の方法、表示形態、場所等が奇異、低俗等であるもの
     第1号に規定する方法又は表示形態による広告の例、第2号に規定する場所における広告の例等奇異若しくは低俗なもの、派手すぎるもの、見る人に不快感を与えるもの等国民から見て弁護士等に相応しくないと思われる広告は、弁護士等の品位又は信用を損なうおそれのある広告として規程第3条第7号に違反するものとする。
    (2) 国民から見て品位や信用を求められる職種の広告場所として相応しくない例えば次に掲げる場所における広告
    ア 風俗営業店内

    (略)
    18 新聞、雑誌等による広告
     第14項の規定にかかわらず、次に掲げる媒体において広告することは、広告内容自体が規程第3条各号に該当しない場合であっても、品位又は信用を損なうおそれがあるものとして、規程第3条第7号に違反するものとする。
    (1) 低俗な風俗雑誌

    (以下略)


     今までにも東京や大阪の法律事務所の広告がポストに入ってきたことはあり、これまでは「また過払い系か、広告効果はあるのかねぇ」と笑って済ませてきたのですが、今回ばかりはいかがなものかと思い、あえて取り上げました。

     最近読んだ、このルポルタージュの影響も多少あります。

    それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子それでも彼女は生きていく 3.11をきっかけにAV女優となった7人の女の子
    (2013/02/27)
    山川 徹

    商品詳細を見る

     あの震災によって、ある女性は父が失業し、またある女性は自分の就職内定先がつぶれました。その他、親友や生家を失ったりと、様々な「喪失」の物語を抱えた女性たちが、過酷な職業を選ぶに至った理由が語られるノンフィクションでした。

     折しも大阪市長(彼も弁護士でしたね)による物議を醸す発言があったばかり。震災から2年が経ちますが、今もそのような職業を選ばざるを得ない女性はどれだけいるのでしょうか。
     あえて大阪から、仙台の女性向け求人情報誌に広告を掲載した法律事務所さんは、過酷な仕事を選んだ女性を応援する意図があったのでしょうか。広告の文言からは、その意図は読み取れませんでした。 
    関連記事
    Copyright © 匠の弁護. all rights reserved.
    Design by Pixel映画山脈