山口県周南市の事件は「非」現住建造物放火になる
     現代の八つ墓村、津山30人殺しとの呼び声もある例の事件。今朝の朝刊を見て、ああやっぱり被疑罪名は「非現住建造物放火罪」なのかと思いました。

     人が住んでいる民家に火をつけたのに、なぜ重い「現住建造物放火」の罪ではなく、軽い「非・現住建造物放火」の罪なのか。皆さんは分かりますか?

     司法試験などで刑法各論を勉強した人には常識なのですが、「現住」建造物への放火がより重く処罰されるのは、公共の安全を害することに加え、その建造物で起臥寝食する(日常的に出入りして生活をする)人の生命・身体を害する可能性が高いからです。

     したがって、一家皆殺しにした後にその家に火を放った場合、その家に暮らす人の生命・身体が害される可能性はゼロパーセントになるため、誰も住まない「非現住建造物」への放火として扱われます。
     軽い方の放火といっても、罪名に殺人(当然、最高刑は死刑)がつきますから、軽い量刑になってしまうことはないので不都合はありません。

     このような設例の問題が、旧司法試験の択一試験で出題されています。
    関連記事
    Copyright © 匠の弁護. all rights reserved.
    Design by Pixel映画山脈