【スクープ】80年代、法曹三者が廃止される予定だった
     最近読んだ本の中から、法曹界を揺るがしかねない大スクープを発見したので紹介します。
     1980年代には、法曹三者が廃止されるはずだったと言われたら、果たして皆さんは驚くでしょうか。


    昭和ちびっこ未来画報昭和ちびっこ未来画報
    (2012/02/01)
    初見健一

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     この本は、1950~70年代にかけて子供向けメディアに掲載された「未来予想図」を集めた本です。
     皆さんもどこかで、空飛ぶ自動車や宇宙旅行の絵を目にしたことがあると思います。昭和の子供向け雑誌で紹介されていた、「来たる21世紀はこんなに科学が発展して、夢のような世界になっているんだよ」というイラスト。

     これらはまったくの空想とも言えず、当時の最先端の科学技術を取材して作成されています。ですので、ここで描かれている物や技術は、今では当たり前になっている物もあれば、未だ実現されていない物、諸事情で開発が断念された物もあって、なかなか興味深いものです。

     では、未来の裁判所はどうなると予想されていたのでしょうか?

     1969年の作、絵・桑名起代至、『〝死刑〟宣告!』

    未来画報1

     一九八×年――。
     ひとりの犯罪者が、最高裁判所の中央法廷に送られた。
     だが、法廷には、被告と傍聴人以外は、裁判官も検事も弁護士もいない。
     裁判官席には、ただ一台の銀色に光る機械が置いてあった。
     やがて赤いランプがつくと、たった一つのスピーカーから、重々しい金属製の声がきこえてきた。
     『判決。被告は、死刑!』
     その一言で、すべては終わった。
     機械の赤ランプが消えた。


     なんということでしょう。1980年代の最高裁判所には法曹三者の姿が無く、でかいコンピュータが判決を下す未来になっていたはずだったのです。ひえー。

     裁判に威厳を持たせるためでしょうか、仰々しいキャビネットの上にコンピュータを載せています。重々しい金属製の声(?)や、主文だけで理由を一切述べないところも、反論は許さないという感じで怖ろしい。赤ランプもコンピュータの不気味さを強調しています。
     わずか10数年後には、刑事裁判の判決までコンピュータが下す未来がやってくるだろうというコンピュータ社会到来の予想、そして重要なことを機械に委ねてしまうことへの不安感を見事に表したイラストだと思います。

     では、裁判に至る手前の警察活動はどのように予想されていたのでしょうか。

     同じく1969年の作、絵・南村喬之、『犯罪情報センター』

    未来画報2

     こちらは当たらずとも遠からず。指紋や弾丸の条痕が記録として警察のコンピュータに保管される点、同じような犯罪で過去にどんな罰を受けているかという量刑データベースが作られている点は実現しています。コンピュータが犯行の理由や犯人の居所をプロファイリングする、というのは面白い発想です。
     モンタージュもコンピュータが組み合わせる。なるほど。
     立体地図を作り犯人の逃走経路を計算させる・・・うーん、これは立体地図はいらないよな。

     ここまでコンピュータを描くなら、できれば警察の取り調べについてもコンピュータを関与させてほしかったですね。人間は正義感や思い込みで暴走しますけど、コンピュータなら不当な取り調べはしないでしょうし。

     「犯罪が発生すると、巨大な電子計算機が活動して犯人をつかまえ、判決まで下すのだ。」となっているので、こちらは警察・裁判所が一元化した未来のようです。それはそれで怖ろしい社会ですが。


     この本ではこの他、本州四国連絡橋の完成予定図に、しれっと円盤型自動車が走っていたり、コンピュータ化された教室で子供がロボットから体罰を受けていたりと(体罰自体は無くならないと思われていたようだ)、笑い話のような絵が満載です。
     非常に面白い本でした。
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