だからマズいってば
     昨年11月30日にも書いた行政書士さんのサイトより、第2弾。画像のモザイク処理は面倒なのでもうやめました。

    hibenmanga.jpg
    (引用元の表示 http://aialliance.jp/contents/manga/top.html )

     「ご依頼を受けておりまして代わりに私が」とハッキリおっしゃってます。
     まさか、報酬を得る目的がなかった訳はないですよね。

    【しつこいけど参考まで】 弁護士法第72条(非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)
     弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。


     そもそも「役立つ法律マンガ」というところにもツッコみたい。
     こんなワープロ打ちの自筆証書遺言では話にならず検認も登記もできないだろうけど、そんな詐欺があるでしょうか。パソコンで作った遺言書が無効になるなんて今時しろうとでも知っているし、さらにこの「アイアライアンスの藤巻」という漫画内のキャラ(行政書士ご本人ではなく、あくまでフィクション漫画のキャラクターであると信じたい)が初対面の相手に向かって根拠無く「2号」呼ばわりしているところは侮辱もいいとこ。そんな人が交渉の場に出てはいけない。
     「この件を家庭裁判所に申し立て しかるべき法的手段を経て・・・」というセリフもあるけど、遺言の有効性を争うなら地方裁判所(または簡易裁判所)で遺言無効確認等の民事訴訟をすべきでは? この漫画のケースで、家庭裁判所に何を申し立てるつもりだろう? もし検認なら、検認は遺言書の有効性を判断する場ではないですが・・・。

    【平成26年2月16日追記】
     根拠条文とともにより正確な記載をしますと、遺言無効確認請求事件は「家庭に関する事件」(家事事件手続法244条)として家事調停事件の範囲に含まれるため、調停前置の対象である(同法257条1項)。その意味では、藤巻氏の「この件を家庭裁判所に申し立て」という言葉もまったく意味不明ではないが、調停前置は訴訟要件ではないため、家事調停の申立てを経ずに遺言無効確認請求訴訟を起こしても不適法にはならない。むしろ、遺言の有効無効が話し合いで解決する見込みがある例はまれであり、基本的に弁護士であれば調停を経ず訴訟を選択する。本件もそうであろう。


     こんな人には「代理」を頼みたくないという反面教師的な漫画です。三百代言の排除という弁護士法の趣旨を改めて考えさせられました。

     私はブログのネタにするだけでそれ以上の行動に移るつもりはありませんが、弁護士の中にはこういう非弁行為に敏感で行動に移す人も当然いますから、「このような活動をしています」という趣旨で漫画を載せ続けることにはリスクがあります。依頼する側も、弁護士法違反と知って依頼した場合には共犯としての責任が生じる可能性だってゼロではないでしょう。

     読めば読むほどいろいろ目につく興味深いサイトなので、状況が変わっていなければ(かつ同業者の評判が良ければ)来月あたり第3弾に続くかも。
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