宮城県警、非弁行為(無資格での過払い金返還請求)の疑いで夫婦逮捕
    朝日新聞デジタル
    「凄腕弁護士」実は無資格 非弁行為の疑いで夫婦逮捕
    2014年5月21日18時29分
    http://www.asahi.com/articles/ASG5P5W42G5PUNHB010.html?iref=com_alist_6_04


    (被疑者名を匿名化して引用します)
    弁護士資格がないのに法律業務を請け負ったとして、宮城県警は21日、仙台市青葉区の無職A容疑者(38)と妻のB容疑者(41)を弁護士法違反(非弁行為)の疑いで逮捕し、発表した。両容疑者は、2年間で約1千人から過払い金返還請求を請け負って約12億円を回収し、約3億円の報酬を得ていたという。

     とんでもない額ですね・・・。
     さてこのような事例で、依頼者は非弁護士などの無資格者に支払った報酬を取り戻すことができるのか、という問題があります。

     非弁行為の判例については一度個人的な趣味で勉強したことがあるのですが、弁護士法72条に違反する私法行為の効力は、公序良俗(民法90条)違反として無効になるというのが確定した判例です(最判昭和38年6月13日民集17・5・744など)。

     実際に、行政書士(非弁護士)が紛争性のある遺産分割の事件の依頼を受けて、依頼者以外の相続人と折衝した行為につき、折衝したことについての報酬は請求できないとする下級審判例もあります(東京地判平成5年4月22日判タ829号227頁)。
     しかし、別の下級審判例では非弁護士に支払った示談交渉の報酬の返還請求事件で、民法708条ただし書きの適用を否定したもの(返還請求はできないとの結論)もあります。

     ですので、ケースバイケースということになるんでしょうが、未払の部分について非弁護士が請求することはできない、既払いの部分について依頼者が返還請求することはやや難しい、という傾向が見られるかなと思います。
     ご相談は仙台弁護士会の法律相談センターへどうぞ。

     もちろんここまでの議論は民事、私法上の話ですので、刑罰を受けるかどうか(刑事事件)の話とは切り離して考えないといけません。頭書の事件も、金額からいって罰金プラス懲役の実刑もあるでしょう。
     いったいどのくらいの基準で金融業者と和解していたのかなど(判決まで取って回収したとは考えにくい)、いろいろ気になるところです。
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