元宮城県警刑事による実話的読み物

    哀しい殺人者たち (はなぶっくす―捜査実話シリーズ)哀しい殺人者たち (はなぶっくす―捜査実話シリーズ)
    (1985/06)
    佐藤 好一

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     仙台市図書館の郷土図書コーナーで見つけ、じっくり読もうと古本屋で探し求めた一冊です。

     元宮城県警刑事による回顧録。もちろん関係者の氏名などにフィクションを交えていますが、戦前から昭和30年代にかけての宮城県内の世相が伝わってきます。漠然としかイメージのない暗い時代、人々がどのような考えで、どのような暮らしを送っていたのか。また、科学捜査が未発達な時代に、刑事がどのような捜査で犯人を割り出していったのかを知ることができます。

     かつて宮城野区の小田原に遊郭があったことや、小牛田の身代金目的誘拐殺人事件、桃生町の女子高生による祖父殺し、原爆ドームの設計者であるヤン・レッツェルが設計した松島パークホテルというモダンなホテルがかつて松島にあり、そこで殺人事件があったことなど、昭和54年生まれの自分にとっては知らない話ばかりでした。

     現在ではプライバシーや守秘義務のハードルが高くなったことなどもあって、なかなかこのような本を出すことは難しいのでしょうが、事実に基づく読み物は面白いですね。なお著者も執筆に当たり被害者家族など関係者の了承を得ているようです。
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