黒澤計男ほか『くるま菓子舗の相続と遺言』
     以前このブログで「磯野家の相続」を取り上げた際、冗談で「どこかの出版社で、コボちゃん一家を例に挙げて相続問題を解説していくような、パクリ類似の書籍を出そうというところはありませんか?(厚かましい)」などと書いたのですが、その後、映画『男はつらいよ』の舞台設定で相続を解説する本を見つけました。


    くるま菓子舗の相続と遺言くるま菓子舗の相続と遺言
    (2011/08/04)
    黒澤 計男

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     そういえば子どものころに映画やってたなという印象で、私自身は一度もちゃんと映画を見たことはないのですが、相続を考え始める中高年世代にはピッタリなのかもしれません。

     内容も、決して「磯野家の相続」の二番煎じに終始するわけではなく、例えば

    博が家を購入するとき、さくらが「おいちゃんがこの店を抵当に入れてお金を借りてくれた」と言っています。(第26作/寅次郎かもめ歌)この言葉から、現在の所有者は車竜造さん、つまりおいちゃんだと推測できます。』(18頁)

    などと、全48作の映画の台詞をピックアップし、権利関係や相続人となり得る兄弟・子の有無を考察していたりと、実に「寅さん」愛にあふれる内容となっています。寅さんの老後や葬儀はどうなるだろうか、などというコラムもあったり。
     このような考察は、むしろ『磯野家の謎』を彷彿とさせますね。

     ちなみに、車家の家系図はこのようなものだそうです(13頁)。
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     寅さんとさくらが半血兄弟だったとは知りませんでした。これって常識なんですかね。
     
     その他、類書であまり見かけない記述として、第2順位の直系尊属が相続人となる場合で、両親ともに死亡、祖父母4名のうち3名が生存というときに、代襲相続ではないので法定相続分は3分の1ずつになることがきちんと説明されています。 実は恥ずかしながら私も、弁護士なり立てのころまで勘違いしていたところ。
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     2011年に出版された本のため、非嫡出子の法定相続分については改正未対応ですが、その点を差し引いても十分評価できる一冊だと思いました。
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