取調べは昔も今も
     先日の金沢の話題でもう一つ。

     金沢の豪商・銭屋五兵衛と北前船を取り上げた

    銭屋五兵衛と北前船の時代銭屋五兵衛と北前船の時代
    (2001/11)
    木越 隆三

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    という本を最近読んだのですが、その中で五兵衛が毒を干潟に流した疑いをかけられ(実際には、埋め立てのための石灰を流したものである)、奉行から取調べを受けた様子が記されていました。
    zenigo.jpg(同書192頁)
     
     毒を流したとの噂を信じ込み、なんとか自白させようと迫る奉行に対し、知らないの一点張りの五兵衛。
     奉行は、そのころ五兵衛が書いた手紙に「都合よく」との言葉があることから、これは犯行計画のことではないかと揚げ足取りのような尋問をしています。

     これとそっくりな裁判が最近ありまして、美濃加茂市の市長贈収賄被疑事件(一審無罪。検察側控訴)。
    江川紹子「日本の裁判は運次第? 美濃加茂市長無罪判決で残った検察への不信」
    http://wpb.shueisha.co.jp/2015/03/20/45273/2/

    (以下、引用)
    以下は、その日の夕方になされたメールのやりとりだ。
    ▽中林→藤井
    〈本日はお忙しい中、突然申し訳ございませんでした。議員のお力になれるよう、精一杯頑張りますので、宜しくお願いします〉
    ▽藤井→中林
    〈こちらこそわざわざありがとうございます!全ては市民と日本のためなので宜しくお願いします〉
    これを、検察側はガストでの現金授受の裏づけと主張した。中林氏はさらなる現金提供の意図を込め、藤井氏は賄賂のお礼を述べた、と言うのである。
    だが、これは単なる挨拶(あいさつ)メールとも読める。藤井メールを素直に読めば、年長者の中林氏が名古屋市の拠点から美濃加茂市まで足を運んでくれたことへの礼と、いささか気負った抱負を述べたものではないのか。

    (引用ここまで)


     昔も今も、予断にとらわれた取調官が、手紙やメールの言葉を何とか有利な方向に解釈しようとしているところが面白いですね。
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