住宅でも賢い顧客になるために――佐々木孝『誰も教えてくれない! マイホーム建築の罠』
     始まってもいない自宅新築工事を解約しようとしたところ、営業担当者から口頭で聞いていたより解約手数料が高いという相談を受けたことがあります。
     契約書には何とあります? と聞くと「手元にない。そもそも契約していないと思う」と。
     じゃあなんで既に業者に手付けを払っているんですか・・・と唖然としましたが、新築住宅という高い買い物なのに、営業の言いなりになって疑問を持たないままの人も多いのかもしれません。

     できれば営業担当者の口車に載らずに、いい家を建てられたらと思っている方。
     あるいは私のように、いろんな業界の闇を暴露する本が好きな方。

     そんな方にお勧めしたい一冊が、佐々木孝『誰も教えてくれない! マイホーム建築の罠』

     この本の著者は、宮城県内で住宅問題の相談に乗るNPO法人「ハウジングネットコンシェルジュ」の代表を務めている方です。
     実は著者から、住宅業者や建築業界の問題点を取り上げる本を出すにあたり、悪質な業者がなぜ詐欺罪などに問われる例が見られないのかと取材されまして、そのご縁もあり献本いただきました。また、私の名前も紹介していただいております。本当にありがとうございます。
     
     この本ではこれまで上記NPO法人が受けた豊富な相談事例を取り上げ、住宅会社がいかに情報の非対称性を利用して顧客から暴利をむさぼっているかなどの様々な問題点、あるいは顧客が業者と対等に渡り合うための方法について、漫画を交えて分かりやすく解説されています。
     恥ずかしながら、明細・内訳を明らかにした見積書までは出さなくてもいい(単なる努力規定)という建設業法の欠陥については、著者からこの本の取材をされるまで知りませんでした。
     住宅建築工事が始まっても、中立の立場で第三者が工事を監督する訳ではないという構図も、考えてみれば怖い話です。顧客の性善説が欠陥建築を招くわけで。
     そして、決して大手だから安心ということはなく、業者選びにはポイントがあるとのこと。

     私自身は賃貸派なので今すぐ家を建てたいという考えはないのですが、マイナス金利政策で住宅ローンの金利も下がるので、憧れのマイホームをと考える方もおられるかと思います。住宅展示場に足を運ぶより前に、この本を一読しておくことをお勧めします。
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