利府西中学校での出前授業
     今日は、私を含む若手の弁護士4名で利府町立利府西中学校まで出前授業に行ってきました。

     学校からの要望としては、実際の憲法判例を題材にして生徒にディベートさせたいとのこと。また、薬事法判決や出版差し止めなどの判例を授業でも扱ったともうかがっており、その授業のレベルの高さには驚かされます。
     
     今回われわれが選んだ題材は、神戸高専事件。
     これは、絶対的平和主義の立場で格技を禁止する宗教の信者である生徒Xが、体育で剣道を実施している高専の授業に参加せず、その結果留年・退学処分を受けたという事案です。
     生徒Xは剣道の授業の代替措置としてレポートを作成・提出するも、高専側は代替措置を認めず。その結果、留年が続き生徒Xは退学処分となりましたが、これを取り消せという裁判です。
     生徒の信教の自由と、高専側の教育内容を決める裁量や政教分離原則とが対立する事案です。

     授業ではまず、差し障りのないよう宗教名や学校名を伏せて、事案をコンパクトにまとめて生徒さんに紹介しました。
     そして、信教の自由が憲法で保障されている理由や、信教の自由は内心では絶対的に保障されるが、行動を伴う外部との関わりでは制約を受けることなどを簡単に講義。
     その上で、生徒さんにどちらかの立場に立つか分かれてもらい、双方の立場から意見を述べてもらいました。
     比率としては、最初は2~3対1くらいの割合で高専側に立つ生徒さんが多かったものの、それぞれの立場からの議論を経て、最終的には生徒X側を支持する生徒が少し増えたという印象でした。
     一審と二審・最高裁とで結論が異なった事案でしたので、生徒さんの意見もバランス良く分かれてくれないかと期待していました。ですので、この展開は個人的には満足しています。

     インターネット上はおろか国会議員でさえ議論の作法を身につけていない方が散見される昨今ですが、利府西中の3年生は実に行儀良く、異なる意見を踏まえた上での自らの意見を述べておられ、大変関心いたしました。
     
     また、カリキュラム上、このような外部講師の出前授業などに割ける時間も少ないでしょうに、このような機会を設けていらっしゃる先生方の努力と創意工夫には本当に頭が下がります。少しでも期待に応えられた内容であれば良かったのですが。


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