強制わいせつ罪の判例変更。そういえば限界事例を扱った
     各種報道によると、今日の最高裁大法廷判決で、強制わいせつ罪について従来の「性的意図必要説」から「原則不要説、行為によっては必要説」に判例変更があったそうです。刑法各論の勉強では、必ず抑えておかなければならない判例の一つです。

     このニュースを聞いて思い出したのですが、私が弁護士登録して1、2年目くらいに担当した強制わいせつ罪の被疑事件がこんな事案でした。
     ある男性(被疑者)が女性(被害者)に金を貸したのですが、その女性が全然金を返そうとせず逃げ回っていることに腹を立て、女性を人気のない場所に呼び出し、長時間にわたり説教・苦言を述べ、腹いせに服を脱がせた、という事案だったように記憶しています。被疑者は、怒りに基づく行為であり、性的興奮を満たすための行為ではないと主張しました。

     当時の最高裁判例によれば性的意図がないので強わい罪は不成立になるはずですが、下級審では行為者に性的意図がなくても強わい罪の成立を認める判例が既に出ており、この点を巡って検察官と電話でやりあった覚えがあります。

     事件の結果としては、いずれにせよその行為は女性の性的羞恥心を害するものであり、民法上の不法行為になること(=慰謝料を払う義務あり)は疑いないので、示談を成立させる方針を取り、告訴を取り下げてもらい不起訴で終わりました。

     もしこのとき示談が成立せず、また被疑者が一・二審有罪で最高裁まで争うという意向を示していたならば、ひょっとすると今回の判例変更は数年早まったのかもしれませんね。
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