TPP参加で
     おはようございます。弁護士の村上匠です。
     
     日経ビジネスオンラインで連載中の、林總(はやし・あつむ)さんの連載小説『熱血!会計物語 ~社長、団達也が行くseason2』を毎週楽しみに読んでいます。
     
     第17話「TPPに参加したら公認会計士の世界も大きく塗り替えられる」では、わが国のTPP参加が、専門職の世界に及ぼす影響についての会話がありました。
     
     少し引用しますと、
     
    > 「TPPに参加したら、私たちの仕事にも影響が出ます」
    > 「そうでしょうね。医師、弁護士、公認会計士といった資格が、どの国でも認められることになる」
    > 
    > 「10年の猶予期間があるってことですが、遠からず専門職の世界が、大きく塗り替えられるに違いありません。米国公認会計士の資格を持つ人が、日本の公認会計士と同じ監査ができるようになるんですから」
     
    という会話が、自動車部品メーカーの社長である主人公と、公認会計士の間で交わされます。

     わが国の会計基準は、時価会計の導入などにより国際会計基準に対応させてきたので、なるほど、海外の会計士がわが国に流れ込むことも考えられるのかもしれません。病気や治療法も国によって変わらないでしょうから、医師の流入もありうるところです。
     
     では、海外の弁護士がわが国で活動するような時代が来るのでしょうか。外国と日本では法制度に相違があるので、影響があるとすれば、まず大手の渉外事務所あたりかなと思います。離婚調停、交通事故、自己破産、国選弁護などの街弁的な仕事は、採算性の観点からも外国人弁護士が手を伸ばすとは考えにくいかと(ただし裁判員裁判なら、陪審員制度のある国の弁護士だと、ものすごい弁論技術を見せてくれるかもしれないですね)。
     
     しかしながら、現在進行中の民法(債権法)改正の議論は、ウィーン売買条約という国際的な契約法に対応していると評されています。そうしますと、日本国内での契約が国際法のルールに準じてなされる時代が来るとも限らず、弁護士としても国際化が対岸の火事とはいえなくなるかもしれません。

     もう一つ、非常に考えさせられた会話を引用しておきます。
     
    > 「その逆もあるんですよ。それに、ボクたち経営者の立場から言えば、大歓迎ですよ。資格を持っているだけの人に、法律だからという理由だけでお金は払いたくないですからね。課題を解決してくれる本物のプロフェッショナルを必要としているんです。その人が、日本人であっても、マレーシア人であっても一向に構わないんですよ」
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