弁護士に相談できるアプリ「弁護士トーク」に登録
     世の中「ポケモンGO」の話題で持ちきりですが、幸いにも私のスマホは非対応です。ゲームをせず本業を頑張りたいと思います。
     
     ところで、弁護士に相談できるスマホ用アプリというものがあるのですが、ご存知でしょうか?

     ある日のこと、事務所に勧誘のFAXが届きました。いわく、「弁護士トーク」に登録しませんか?というもの。
     何かと思って読んだところ、いつでも無料で弁護士に相談できるスマートフォン用のアプリがあるので、回答者として登録しませんか? という物でした。

     なんでタダ働きせにゃならんの、と思ってすぐさまFAXを捨てようと思ったのですが、私がガラケーからスマホに乗り換えたのは今年に入ってからで、ちょうど操作を覚えたり気になるアプリをインストールしたりしていたこともあり、興味本位で登録してみることにしました。

     そんなこんなで「弁護士トーク」の資料請求をしてみたところ、翌日にはメールが届き、登録申込書が添付されていました。

     メールには、「本サービスへの登録弁護士が、仙台に居なく仙台からの相談者への面談が行えていないという実態があります。」と書いてあったのですが、アプリに一般利用者として登録してみたら既に仙台会のS先生とT先生の名前があったので、どうして平気でウソを書けるのかな、とハナから不信感を覚えてしまいました。

     しかし、ここは見ないことにして申込書に記入を開始します。

     「相談者への一言メッセージを30字以内で」、か。
     これと言って思いつかないので、仙台牛弁当で有名な肉屋さんのキャッチフレーズ「かたい信用、やわらかい肉」をヒントに「かたい法律、やわらか解説」と記入。こんなのでいいか。
     その後、他の弁護士の自己紹介欄を見たのですが、「困っている人を笑顔にしたい」とか、「相談者様の悩みを共有し、解決の道標となります」とか、そういうことを書くのがどうやら正解だったようです。

     「経歴」。これが大喜利なら「ハーバードでショーンKの同級生」とでも書くのですが、詐称はいけませんね。

     「実績」。あえて書くほどのものはない。だいたい、立派な実績のある弁護士がこんなどこの馬の骨とも分からんアプリに登録する訳がないだろうが(前記S先生、T先生は除く)。

     えーっと、顔写真も添付するのか。
     ここは差別化を図るためカツラかかぶり物か、と思いましたが審査でハネられては所期の目的が達成できないため、普通の写真を添付しました。

     無事登録を済ませたところ、昼夜を問わずスマホに相談のお知らせが届くようになりました。

     仕組みはどういうものかというと、
     (1)相談をしたい利用者がまず相談のジャンル(離婚、労働、知財など)を選ぶ
     (2)そのジャンルに登録している弁護士の一覧が出るので、相談者がそこから弁護士を選ぶ
     (3)選ばれた弁護士に通知が届く
     (4)LINEのような画面でチャットで法律相談をする
    という感じです。

     どのような相談が来るかというと、もちろん守秘義務があるので詳しくは書けないのですが、不倫・性犯罪被害とか、リアルで相談するにはハードルが高い分野が多い傾向です。なるほど、これはネット相談の利点かもしれません。
     そして、借金・債務整理の相談も多いですね。こういう相談には債務整理の方法の概要を伝え、「さっさと法テラスに行きなさい」と答えるようにしています。スマホの相談だけで解決できる問題ではないですからね。

     回答する側の弁護士のメリットには何があるかといえば、これはご依頼につながるかも、という淡い期待のみ。正直、東京や名古屋の方から相談を受けても受任につながる見込みはないので、現在は宮城県内在住の相談だけ対応するようにしました。これだと週に1件程度ですが、当初は1日で3件くらい相談が来ることもありました。
     
     この「弁護士トーク」、チャット機能による相談なので、対面や電話と違い、好きなときに回答できるというのは便利かもしれません。
     しかし、昼休みや起床後などヒマがあるときにボチボチと回答してきましたが、これは対面の法律相談よりも精神的に辛い作業です。
     というのも、やはり文字だけのやり取りはまどろっこしいですね。
     あれもこれも訊きたい、もっと情報をくれと思っても、なかなかリアルタイムでチャットをすることもできないので、質問と回答のやり取りに間隔が空いてしまう。こんなやり取り、電話や面談なら10分で済むのになあ、なんて思います。
     また、回答に正確性が保証できないのも辛いところ。契約書など書面の確認もできず、断片的な情報からおそらくこういうことだろうがと推測を交えて答えていくのは、けっこう骨の折れる作業です。回答も断定口調では書けません。

     では、その作業が報われるのかというと。

     新たに登録しようと思っている同業者向けに注意をしておきますが、これまで40人くらい話しを聞いてリアル法律相談へつながった件数はゼロ。1円の収入にもなっていません。
     ですので、こういう「無料相談」すなわち「1円も払いたくないが回答は得たい」という相談にどれだけ真剣味があるか、そういう点をよくお考えになってから登録されてはいかがかと。
     私の場合、もはやアプリの相談は頭の体操といった感覚で片手間でやっていますが、いずれ飽きたら登録抹消しようかなと思っているところです。登録の有料化とかが始まったら、間違いなくバイバイ。

     相談する側も、このアプリはあくまで簡易診断、あるいは法律相談のお試し・予行練習だと思って使うべきでしょう。きちんと資料を持参して弁護士に話しを聞いてもらった方が、絶対に精度の高い回答になります。
    熊本県弁護士会ニュース<災害Q&A>
     熊本県弁護士会が、地震の被災者に対する情報提供のため、熊本県弁護士会ニュース<災害Q&A>を発行しました。

     ・当面の生活費について、緊急小口貸付という制度あり。問い合わせ先は社会福祉協議会か市町村。
     ・片付け前に(もちろん安全を十分に確保した上で)被災状況を写真に撮っておくこと。(被害状況の認定の資料)
     ・公租公課の支払関係は減免や待ってもらえる見込み。
     ・通帳、保険証、免許証、保険証がなくなっても本人確認が取れればなんとかなる(無理に取りに戻らない)
    などなど、被災者の方には知っておいていただきたい情報が詰め込まれていますので、身の回りに被災された方がいる方にはぜひとも周知していただきたいところです。

    (提供される情報は、立法や特別措置などにより今後随時アップデートされると思います)
    愛宕大橋の時間帯によるセンターライン変移がなくなる件
     長年にわたり交通事故を誘引してきた愛宕大橋の時間帯によるセンターラインの変移が、平成28年3月21日(月)午前7時から廃止になるようです。
     根岸交差点~愛宕大橋交差点における交通規制(中央線変移など)について (宮城県警サイト)

     大きいカーブで見通しが悪いうえ、時間によって3車線だったり4車線になったりするのは地元の人間でも一瞬判断に迷うときがあるので、廃止は大歓迎。これで事故が減るといいですね。

     ところで、県警のホームページのバナー広告欄にはまだ余裕があるようです。月額5000円って安い気がするのですが、誰か弁護士でやるヤツいないか(それとも審査でハネられているのかな)。 
    課金ガチャ問題、23条照会の次の一手を考える
     「ゲームへの課金」で思い出したのですが、高校生のころゲームセンターでやった麻雀で、安い手で連勝してあと1つ上がれば…というところで対戦相手の女の子に天和で上がられゲームオーバーになったことがありました。あれが当時問題にならなかったのはなぜだろう? 

     さて、某テレビ局の取材スタッフから問い合わせがあったりと思わぬ反響があったので、もう少しだけ課金ガチャ問題について考えてみたいと思います。

     先日のブログでは、「23条照会をやったとしても回答拒否をされる可能性が高い。回答拒否への損害賠償も取れるかどうか。取れたとしても賠償額で訴訟費用をペイできるかどうか」と考えましたが、そこから次の一手はないものでしょうか。

     まず他力本願な考えですが、警察または検事立件で検察庁が動いてくれたら、ガチャに関する証拠を確実に押さえてくれそうです。
     しかし、捜査機関が景品表示法違反を立件し、ゲーム会社に対して捜索・差押をすることは、現状では考えにくいかと思います。
     今後どれだけ社会問題化するかにもよるでしょうが、ネット上の報告事例だけでは犯罪の嫌疑が不十分であり、裁判所としても強制捜査を許可する令状を出さない可能性が高いと考えます。
     まず消費者庁が動いて、それで実態の解明が進み、悪質な業者が残っていたらようやく捜査機関という順番でしょうね。

     次に、自力でなんとかするならば、23条照会以外の手段として、
      (1の1) 訴え提起前の照会(民事訴訟法132条の2)
      (1の2) 訴え提起前の証拠収集処分(同法132条の4)
      (2) 訴え提起前の証拠保全(同法234条、235条2項)
    あたりが思いつくところです。

    (1の1)訴え提起前の照会は、民事訴訟を提起する前に、「お前の会社を訴えてやる」(本当はもっと丁寧な表現)という予告通知を叩きつけ、その訴える予定の相手方に対して、訴訟で主張立証に必要な事項を書面で問い合わせができるというもの。相手方は、免除事由がある場合を除き、回答義務を負います。

     これに相手方が回答拒否した場合、直接の制裁手段はありません。ただし、その後に控える裁判で、相手方(被告)の態度を弁論の全趣旨(同法247条)として裁判所が事実認定の材料にします。裁判官は、主張・証拠のみならず、当事者の訴訟上の態度なども含め、自由な心証で判断できるとされています。
     つまり、法律上答える義務があるのに拒否する態度を取るなら、裁判官は原告・ユーザー側の主張が正しいと考えますよ、ということ。
     事実上、回答しなきゃならないという圧力はかけられそうです。

     ところが、免除事由に「営業秘密」(同法132条の2第1項第3号)があるため、もし課金ガチャのレアキャラの出現確率などがこれに当たるのであれば、相手方は回答義務を負わないことになります。
     また、この制度は提訴予告通知が要件とされるため、いわば「宣戦布告」がされることで記録が消されたり改ざんされるおそれも否定できないところです。

     うーん、この手段ではダメか。次いってみよう。

    (1の2)訴え提起前の証拠収集処分は、これも予告通知を出して、その上で「立証に必要であることが明らかな証拠」で、「申立人がこれを自ら収集することが困難であると認められるとき」には、文書の送付嘱託(文書を出してくださいという裁判所からのお願い)や執行官による現況調査など、様々な証拠収集の処分ができるというもの。

     しかし、この手続きにはもう一つ要件がありまして、「その収集に要すべき時間又は嘱託を受けるべき者の負担が不相当なものとなることその他の事情により、相当でないと認めるときは」、この手続きが使えません。
     そうすると、証拠収集に長時間がかかることが想定される場合や、相手方が協力拒否の態度を明確にしている場合は、相当性を欠くとして裁判所がコーサインを出さない可能性が高いでしょう。

     また、この制度も直接の制裁手段がなく、事前の提訴予告通知が必要という点では前記(1の1)と同様で、この欠点があるため我々の実務でもこの手続きをやったという話はほとんど聞きません。
     法律が性善説すぎるというか、証拠を出す義務を負わせるのに消極的というか。

     では、事前に相手に準備させる時間を与えずに動ける手段はないかというと、前記(2)訴え提起前の証拠保全が思い当たります。
     これは、裁判の中での証拠調べ手続きに入ることを待っていては、証拠調べが不能や困難になる事情がある場合に、あらかじめ裁判官がその証拠を見てしまおうという手段です。

     利用される場面としては、例えば医療過誤訴訟で、医療ミスをしたか否かが争われている病院側がカルテを改ざんしないように、裁判前からあらかじめカルテを押さえて裁判官に検証してもらうときなどがあります。
     これならどうでしょうか。

     この手続きでもっとも高いハードルが、「保全の必要性」です。つまり、クソ忙しい裁判官様に現場までお出ましいただくには、そうしないと証拠が消されるおそれがあるんです、他の手段じゃダメなんです、という点を説得しないといけません。

     この説得がうまくいくかどうか。裁判官が課金ガチャの問題に詳しいとは思えないので、十分な疎明資料、つまり説得するだけの材料を用意する必要があるでしょう。ここでは弁護士選びが大事になってくると思います。景表法違反の弁護士広告に釣られるような情報弱者は、ここでも痛い目に遭うことになると思います。

     では、首尾良く証拠保全の決定が出て、裁判官がゲーム会社に赴いたとして、その後はどうなるかも考えてみましょう。

     証拠保全については、ゲーム会社に対して事前の予告はなく、決行当日いきなり裁判官や執行官がやってきます。
     ここでゲーム会社としては、やはり徹底抗戦することが考えられます。ここでも、協力の拒否に対する直接の制裁手段はありません。(もちろん裁判官をボコボコにすれば犯罪であり別の制裁がありますが)

     社員が裁判官を前にして、「ここにはサーバーがないので何ともできない」とか、「担当者が不在で対応できない」とか、「ワタシ ニホンゴ ワカリマセーン」などと答え、非協力的な態度で裁判官を怒らせる事態もあり得るところです。
     それでもいくら社員が協力を拒もうが、執行官らが何時間もかけてコンピュータのデータやガチャの確率に関する資料をコピーすることになるでしょう。

     しかし、証拠保全でも目当ての資料が出てこず、ユーザー側が手持ち証拠不十分のままで訴訟を起こしたらどうなるでしょうか。

     原告・ユーザーとしては、訴訟提起後には被告・ゲーム会社に対し、文書提出命令(同法221条)を申し立てることになると思います。

     これに従わない場合には強烈な制裁があり、「当該文書の記載内容に関する相手方の主張を真実と認めることができる」(同法224条1項。真実擬制)とされています。
     つまり、例えば原告が「レアキャラの当選確率は0.1%以下に設定すると記載した文書があった」とか、「被告にはガチャの確率は都合のいいように変動させることを記載した文書があった」と主張していた場合は、「そのような記載のある文書をゲーム会社が作成していた」ということを前提にして、裁判官が判決を書くことができます。そうなれば、原告の勝訴の見込みは高いでしょう。

     しかし、もし被告・ゲーム会社がガチャの確率について改ざんしたニセの証拠を提出して、「たまたま原告だけが運が悪く当たらなかったのでしょう」などと主張したら…。

     その場合は、先行する証拠保全手続きで資料を任意に提出しなかったゲーム会社の態度も斟酌して、裁判所としては弁論の全趣旨から、原告・ユーザー側を一部か全部勝たせる可能性が高いのではないかと考えます。


     以上をまとめると、いろんな法的手段の合わせ技で行けないこともなさそうだ、というところですね。
     こういう事件を受けたらこの分野の開拓者になれる可能性はあるでしょうが、私は今ちょっと忙しいので、この程度の考察だけでカンベン願います。

     もし頼むとしたら? そうですね、景表法も関わってくる問題ですから、それに違反した法律事務所だけはやめておいた方が…。
     実際問題として、消費者問題に詳しい弁護士で、若手から中堅くらいの人がお勧めです。

     しかしよく考えてみれば、ネットで「●●に強い弁護士」などと自称している人も、その表記や実力を裏付ける専門制度などは存在しないので、一般の方が弁護士会の法律相談センターなどで弁護士を探すことも一種の課金ガチャなのかもしれません。
     
     自分もいつか「レア」と呼ばれるくらいになりたいなあ。でも教祖的な扱いは困る。


    ※ なお、ガチャの問題を把握するにあたり、山本一郎さんのブログを参考にさせていただきました。

    ソシャゲの課金ガチャ問題は第2の過払いブームを呼ぶか(消極)
     昨日のブログ記事を書いた後、その日の読売新聞の夕刊に同じ問題の記事があったそうで、やはりタイムリーな問題なんだなと改めて感じました。

     読売オンライン「後絶たない課金トラブル、コンプガチャは禁止に」2016年02月18日 20時00分
     http://www.yomiuri.co.jp/national/20160218-OYT1T50062.html


     で、昨日の記事の後に指摘を受けたのですが、23条照会をしたとして回答拒否されたらどうするかという問題があります。

     弁護士法という法律に基づく制度ですので、当然に照会を受けた側としては回答義務があると解釈されているのですが、回答拒否や無回答に対する直接の制裁手段(過料とか第三者によるガサ入れとか)がないので、統計によると数%の割合で回答が出てこないことがあります。

     この回答拒否について不法行為が成立するか争われた事件が何件かあるのですが、事案によってケースバイケース、他の弁護士ブログにもたくさんあるので「23条照会 不法行為」などでググってください。

     要するに、回答拒否を不法行為だとして訴えても、必ず勝てるかは現状分からないという状況です。

     しかし、そこは一度訴えてみないと分からない。
     私見ですが、これはかつての過払い問題での、貸金業者による取引履歴の不開示に場面が類似しており、回答拒否が不法行為を成立する可能性は高いと思います。
     貸金業者による取引履歴の不開示問題については、平成17年の最高裁判例で、信義則上、取引履歴の開示義務が認められました(その後、貸金業法の改正で開示義務が規定された)。判決を勝ち取った先人たちに心から敬意。

     さて、このあたりの理屈を何とか活用できないか。

     つまり、23条照会で問題になる場面は、プライバシーが侵害される第三者と情報開示を求める側の必要性とのバランスを図る場面になり、照会を受けた当事者には慎重な判断が求められます。

     他方で、自分がゲームにこれまでいくら課金したかの確認や、「今だけ当たりやすい」と謳っているガチャの当選確率を開示せよという要求は、利用者とゲーム会社のみが当事者で、開示対象の情報は要保護性が低いのではないでしょうか。
     これまでのユーザーの課金額の確認は、まさに取引履歴。
     そしてガチャの当選確率は、取引の前提をなす重大な要素であり、これを明らかにする必要性は高いと考えられます。

     ですので、とりあえず23条照会をやって、回答拒否されたらそれに対して不法行為として訴えていくというのは、見込みがあると思います。

     しかし、じゃあどこの誰が金を出して裁判するのかという現実問題に向き合った場合、ゲームには課金しても裁判に課金する人はそうそういないでしょうし、勝ったところで損害賠償額がどのくらいかというと。
     また、履歴の開示拒否などを続ける態度が悪質と判断されれば営業停止させられる貸金業界と違い、ゲーム業界については監督官庁がないこともあって、「裁判で負けても払う金は大したことがないし」と、やはり23条照会に無視を決め込まれることも想定されます。
     そうなると、ゲームに課金した額の返還を求めていく道のりには、まだクリアすべきハードルがあると思われます。クレジットカードでポイントを買っていれば、ある程度そのゲームに課金した額(損害額)を推定で計算できるかもしれませんが。

     また、弁護士法人アディーレ法律事務所(就活の際、内定をお断りして本当にご迷惑をおかけしました。後悔はしてません)に対する景品表示法違反に基づく措置命令などで、俄然張り切っている消費者庁が間もなく動き出すとの話もあり、いずれ問題は収束に向かうのではないかと思います。

     そんな訳で、潜在的な被害者は多数いるけれども、この問題がゲーム会社からお金を取り戻す第2の「過払いブーム」を呼ぶかという点では、私は消極に考えています。

     ついでに、どこかの弁護士法人が「今だけの期間限定で、23条照会の着手金が無料! 安心の返金保証! ご満足いただけなかっらた着手金を全額返金!(90日以内)」みたいなキャンペーンを始めたら、そこに頼むかどうかはよく考えてくださいね。
    スマホゲームの「ガチャ」と弁護士法23条照会
     ネット上のニュースで弁護士法の「23条照会」について触れられているのを目にして、どういう場面でのことだろうと興味を持つようになりました。
     どうやら、テレビのCMでやたらと見かけるスマホゲーム関連で、一種の消費者被害が生じているようです。

     正直、私自身はスマホゲームにあまり詳しくないので(昔、ガラケー時代に箱庭を育てるゲームはしたことがある)、以下の記述には不正確な点があるかと思いますが、私が表面的に把握した問題点と、それについて23条照会をするならこのような文面かな、という点をざっと書いてみます。

     まず前提事実として、
    ◆CMで見かけるゲームは、「原則無料」と謳っているが、実際には金を払った方が、有利なカードや希少価値のあるカードが入手できて、ゲームがより楽しくなる。このような有料プレーヤーのお金でゲーム会社がめちゃくちゃ儲けてバンバンと広告をやっている。
    ◆金を払ってカードを手に入れる方法として、駄菓子屋の外とかにあった硬貨を入れて玩具が出てくる「ガチャポン」のような仕組みがゲーム内にあり、無料の「ガチャ」よりも有料の「ガチャ」の方が良い物が出る確率が高いとされている。
    ◆しかし、当選確率は公表されておらず、欲しい物が出るまで金を払い続ける人がいて問題になっている。
    というところでしょうか。

     これだけですと、やや利用者の自業自得なところもあるかなという気もしますが、玩具のガチャとゲームのガチャの違いは、

    ◆前者は玩具などの現物を入手できる。
     後者はあくまでゲーム内でカードが手に入るのみで、ゲームが運営の都合で終了したらハイそれまで。「希少なカードの利用権」などは法的な保護に値するのかの議論がある。
    ◆前者は、ある程度お金をかければほぼ確実に目当てのものが入手できる。普通はガチャの箱も透けてるので、当たり商品の存在が確実に見えて、あと何回くらいで出るかの見当がつく。
     後者は、どんな確率で当たりが出るかは一般に公表されていない。さらに、運営側が当たり確率を恣意的に変動させる操作をしている可能性もある。(ブラックボックス状態)
     ネット上の検証記事では、「当選確率倍増キャンペーン」などと謳っている期間でも、それほど当選確率が変わらず、数万~数十万円の課金でも当たらないこともある模様。
    ◆後者では、いくらそのガチャに金をかけたか、ゲーム内で後から確認するすべがない。(最初にポイントを買って、それを複数のゲームで使った場合に、ある特定のゲームでの課金額を事後的に確認できない)

    ・・・となると、これはやはり野放しでいいのか、1等なんてどうせ当たらない宝くじでも当選本数は公表しているのにね、という疑問が生じます。
     極めて低い確率であるにもかかわらずそれを伏せ、「今なら当たりやすい」などと広告して利用者にお金を遣わせようとする行為が、景品表示法上の「優良誤認表示」に当たるとの指摘もうなずけるところがあります。ギャンブル類似の射幸心を煽り、中毒者を生み出すおそれがあるとなれば、やはり見過ごすことはできません。

     では、利用者が弁護士に依頼して、弁護士会を通じてゲーム会社に対して当選確率などの開示を求める23条照会をするとしたら、どのような文面になるでしょう。問題が新しすぎて、23条照会のマニュアル本にはまだ載ってないところです。

     私なら、たぶんこんな感じで書くかな。

    照会を必要とする理由

    (1)はじめに
     本件を端的にいうと、相手方が運営するゲーム内での有料のくじ引きについて、当選確率が極めて低いことを告知せず、「当選確率が今だけ●倍」などと不実の広告をした相手方に対し、不当利得返還請求をするため、依頼者の相手方に対するこれまでの課金額を照会するものである。(※景表法違反だけでは課金の取消ができないので、ここは民法上の詐欺取消か。不法行為構成だと過失相殺されてしまう可能性も高そう。)

    (2)当事者
     依頼者は、相手方が提供しているスマートフォン用ソーシャルRPG「G」というゲームのユーザーである。

    (3)ゲームに課金する仕組み (※こういう定型的な説明文のテンプレが必要だと思います。23条照会調査室の方々にも問題点を把握してもらわないといけない)
     上記ゲーム内においては、「ガチャ」と呼ばれるくじ引きのシステムにより、ユーザーに対し、ランダムでキャラクター(将棋の駒、トランプの手札のようなもの)が与えられる。このキャラクターは数百種類以上あり、それぞれにイラストや能力が割り振られている。
     前記ガチャには無料のものと有料のものがあり、有料のガチャでは能力が高いキャラクターや希少価値のあるキャラクターが出る確率が高いと、ゲーム内では説明されている。

    (4)依頼者の課金とその動機
     依頼者は、平成27年●月ころより、上記ゲームに課金して、有料ガチャを回したり、有料のアイテムを購入するようになった。
     その後、平成27年●月ころ、相手方は「××キャンペーン」と称し、「※上記対象期間内のみ、下記「新規キャラ」の出現率がアップしております。甲、乙、丙、丁(キャラ名)の出現率がアップします。」と前記ゲームの画面上に広告を表示させた。
     依頼者は、甲キャラの当選確率が通常よりも高くなり、せいぜい数千円から数万円程度の課金で甲キャラを取得できるものと誤信し、これを機に、有料ガチャによる甲キャラの獲得を目指してより高額の課金を始めた。その額は少なくとも50万円に上り、有料ガチャを回した回数は数百回に上ったものの、甲キャラが有料ガチャで当たることはなかった。
     また、依頼者がインターネット上で前記ゲームに関する書き込みを見たところ、依頼者同様に数十万円を使っても甲キャラが当たらなかったとの報告が散見された。
     よって、相手方は、景品表示法上の優良誤認表示を行ったものであり、また依頼者を含むユーザーに対し、数千円から数万円程度の課金で甲キャラが取得できるかのように欺罔し、これにより依頼者は当選の確率を誤信し、高額な課金を行ったものである。
     そこで、相手方に対し、詐欺に基づく課金の取消及び不当利得返還請求を行うべく、依頼者が相手方に対して支払った金額及びその支払い時期、上記キャンペーン期間中の有料ガチャにおける甲キャラの当選確率を特定する必要がある。
     よって、本照会に及ぶ。

    (あくまで架空のゲームについての話であり、実際に私がこのような相談を受けている訳ではありません)

    ・・・どんなものでしょうか。

     もし間違っている点があったら、こっそりメールで教えてください。こういう消費者被害の問題は、多数の力がないと改善の方向に動かないものです。
     また、もし上記の文面を参考にした同業者さんがいたら、camでぜひ首尾の報告をお願いします。
    地下鉄東西線効果か? 活況だった2016仙台初売り
     皆様は今年のお正月はいかがお過ごしでしたでしょうか。
     2日・3日といえば、全国的には関東地方ローカル大学対抗の駅伝を見ていた方も多いかと思われますが、日本一を決める大会でもないし母校が出ている訳でもない自分にとっては全く興味がなく、今年も仙台初売りに行ってきました。
     
     元日に新聞チラシを比較検討し、今年決めた戦略は次のとおり。

     まず買いたいのはダイエー仙台店の電動アシスト自転車。価格ドットコムでも12万円以上のものを10万円で販売とのこと。しかしこれは、おそらく競争率は高くない。ドラフトで言えば2位以下の指名でも行けそう。

     そこで今年のドラフト1位、早朝から並ぶ場所は同じくダイエーの1割増し商品券に決定。昨年は6時過ぎに並んだところ、目当ての10万円は買えず5万円の列に並ばざるを得なかったため、今年は少し早く5時40分から並びました。
     ここで商品券11万円を手にして、自転車売り場へ行こうじゃないか。
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     ダイエー前は既にコースごとに長い行列ができていましたが、無事整理券をゲット。どうやら今年は10万円コースが昨年の倍の200名になったと行列の中の誰かが話していました。なお、ダイエーは行列の客に対して使い捨てカイロとお汁粉をくれます。

     ちなみに震災直後の物流が止まった時期に、早々に営業を再開したダイエーは本当に偉いと思い、それ以来評価するようになりました。他方であの当時、賞味期限切れのクソみたいな野菜・果物を高額で売っていた某朝市では、私は二度と買い物をするつもりがありません。

     さて6時半の開店時刻。太鼓が打ち鳴らされ、徐々に行列が店の中に進んでいくのですが、ちとスピードが遅い。隣の5万円コースの行列に方がは早く捌けていきます。次第に募る焦燥感、こうしている間にもいろいろ福袋が売れてしまう…。

     7時過ぎにようやく自分の番。お札を店員が2人で数えてチェックしているのですが、そりゃ5万より10万の方が数えるには時間がかかるね、と納得。隣の5万円コースは既に行列がなくなっていました。
     それを見るや転んでもただでは起きない自分は、11万円分の商品券を買った直後にすかさず5万円コースに並び直し、5万5000円分の商品券をゲット。さらにちょっとだけ得をしました。
     意気揚々と6階自転車売り場では電動自転車を購入。防犯登録の記入ももどかしく4階子供服専門店、1階化粧品と家族のための福袋を次々購入。靴下などの消耗品も買って地下1階の抽選会へ。

     だがこれが判断ミス。高い買い物をして何回もくじを引けたはいいが、全部粗品。ここでスポンジやパックのジュースをもらいましたが、重量がある物やかさばる物は後回しにするのが初売りの鉄則。これでは動き回れない。
     ここは一通り買い回って荷物を置いた後に、再びくじ引きに来るのが正解でした。くじは先に引こうが後から引こうが当たる確率は変わりません。これが千本引きなら先着1000名など定員はありますが、レシートの額に応じたくじは急ぐ必要はなかった。

     8時開店のさくら野を見据えてここは一旦荷物を置きに戻ります。本陣である事務所の駐車場まで退却。第1弾の福袋を置いて再度出陣。

     第2陣のさくら野では、地下食品売り場の食品福袋を中心に購入。私の戦略は実利中心でファッションには重きを置かないので、上の階では各種ブランドのテナントが混雑しているであろう時間に、悠々とお買い得の食料品セットを買っていきます。
     フカヒレスープにパスタ、面白いところで中華のお総菜店で2000円の福袋なんかもあり、満足感が高い買い物でした。

     ここまでで中々の戦果を上げたため、余勢を駆ってロフトかエスパルの無印良品も行ってみたいと欲が出ました。
     そこで仙台駅のペデストリアンデッキを歩いていたら、なんだこれは。
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     ロフト(9時開店)の行列が、エスパルの入り口方面まで続いている…

     若者に交じり並ぶ気力はなく、エスパルをぶらぶら。こちらは既にツワモノどもが夢の後といった感じで、おおむねファッション関係の福袋は売り切れの様子。無印良品も当然ながら通常営業モードに戻っていました。
     地下街に下りたところ、意外にも狙い目でしょうか、ここにもお得な福袋が残っていました。

     かき徳が要冷蔵の福袋。7000円相当の品が3500円で、かきグラタンも3個ある? これは買うしかない。
     ××の蒲鉾ねぇ…定価の半額だとしてもここの笹蒲は不味いから買わないな。
     たまご舎は、ダイエット中なので泣く泣く見送り。
     カルディ珈琲では例年通りコーヒー豆の福袋、もちろん買い。重いけどワインの福袋も行こう。
     北野エースではレトルトカレー10個入りが2000円。その中の飛騨牛カレーだけで定価800円はするとか。これはお得。

     そんなこんなで、今年も自動車のトランクがいっぱいになるまで買い物をしました。
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     自宅に帰って、実はこの後また仙台国際ホテル(品数少なくたいした物買えず)、トモズドラッグ(粗品がいい)、イービーンズ(2階子供服)などを回りました。

     翌3日には、朝8時前に三越へ。こちらでは選べるスーツ、ワイシャツ、ネクタイの3点1万円の福袋を2つほど。1人で何点でも買えますが、種類はあまり多くないので早めの方が良いでしょうね。
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     今年の初売りですが、例年より人手が多く、福袋が消える早さが違った感じがしました。
     なお、今年に限って私は藤崎は見送り。これも東西線の影響で、駅からすぐの藤崎は客足が激増すると読みあえて外しましたが、来年はどうしようか。

     新年早々、楽しく買い物ができて満足。良い一年になりそうです。
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